ボッチャ国内初の国際大会で観客を沸かせた「ミリ単位の超絶技巧」

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 重度の脳性麻痺者や同程度の重度障がいが四肢にある選手がプレーするパラスポーツ・ボッチャ。ジャックと呼ばれる白い目標球に向かって、赤のボールと青のボールを投げたり転がしたりして、どこまで近づけられるかを競う。対戦型で個人戦、ペア戦(2人同士)、チーム戦(3人同士)があり、障がいの程度と種類によってBC1~BC4の4クラスに分けられる。

緊張の場面で、若手ながら赤ボールをピタリとつけた中村拓海(中央)緊張の場面で、若手ながら赤ボールをピタリとつけた中村拓海(中央) カーリングと似ているが、ジャックにボールを当てて動かすことができるため、ジャックの後ろに置くボールも有効となり、互いに何手も先を読む力、駆け引き、正確な投球術が求められる。加えて、天然皮革や合成皮革などボールの素材は複数あり、それぞれ転がり方が違うため、どの場面でどのボールを使用するのかも、勝敗を左右する重要なポイントとなる。

 この「究極の頭脳戦」とも呼ばれるボッチャの国際大会「2017ジャパンパラボッチャ競技大会」が11月18日から2日間にわたって、武蔵野総合体育館で開催された。実施したのは、ペア戦とチーム戦。日本でボッチャの国際大会が行なわれるのは初で、「火ノ玉ジャパン」(日本代表チームの愛称)が、世界を牽引する強豪・タイ、ヨーロッパの古豪であるイギリスと熱戦を繰り広げた。

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