東京パラ、そして別次元へ。
パラサイクリングの藤田征樹が目指すもの (3ページ目)
「家族や会社をはじめ、いろんな人を巻き込むことになります。その上で、私以上に我慢してもらったり、苦労をかけることがあると思います。独り身で若ければ、単純に『よし!やるぞ!』となるかもしれないけど(笑)。今、4回目のパラリンピックを目指す上で、気軽に『よし!やるぞ』とはならなくなってきたなと。家族や周りの皆さんに楽しみにしてもらうことが、とても大切です。と言ってもまだ"方針"ですから。出場できるという保証も全くないし、確証もない。ただ、それに向かって競技活動をやっていきます」
2020年までの残りの3年をどう強化に当てるのか。言うまでもなく、ここの時間の使い方がカギとなる。
「チャレンジするとなると、レースまでの日数が決まっていますし、大目標や中期計画を立て始めている。今のままでは出場するだけで終わってしまうかもしれないし、それ以上の結果を望んで、そこで優勝できるかどうかは、これからの取り組み方次第です」
「2020年はまずは出場すること」と言葉を慎重に選びながら受け答えしていた藤田は時折、アスリートとしてのプライドを覗かせた。「結果を残したいか」との問いにはあっさりと、そして力強く「それがお役目」と言ってのけた。
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