東京パラ、そして別次元へ。パラサイクリングの藤田征樹が目指すもの (2ページ目)

  • 大地功一●取材・文・写真 text&photo by Oochi Koichi

「2020(東京パラリンピック)に向けて、障がい者スポーツにたくさんの注目をいただいています。リオの結果についても評価していただき、2020を控える今、スポーツやパラリンピックのあり方が注目されつつあるなかで、私が引き受けさせていただいていることも増えています」

 藤田は日立建機に勤めながら、自転車選手としてトレーニング、レースに励んでいるが、リオ大会以降、講演活動や取材などの対応も増えたという。パラリンピックでの活躍があってこその忙しさだ。

 北京、ロンドンでメダルを獲得し、リオでも銀メダルを獲得したことで本人の意思とは関係なく、周囲は次のパラリンピックを期待してしまう。ましてや自国開催である。現時点での注目度から考えても、3年後の東京の盛り上がりを想像すると、彼にかかる期待の"重み"が違う。

「単純に目指す、目指さないで決められたらいいのでしょうけど、そうじゃない部分がある。目指すという意思についても単純ではないですよね」

 インタビュー中の重苦しい雰囲気は、藤田の並々ならぬ決意と、それに伴う責任の重さを物語っている。それでも藤田は、東京パラリンピックを目指す意志を語ってくれた。彼が言う「単純ではない部分」とは何か。

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