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【車いすテニス】銅メダルの上地結衣、
東京で「打倒オランダ」の決意 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

 身長143cmと小柄な上地が、そのオランダをはじめ、体格に勝る海外勢に対抗するための秘策として取り組んできたのが、"バックハンドトップスピン"だ。強い回転をかけたトップスピンは相手コートにバウンドした後に高く跳ねる。車いすテニスではラケットが届きにくくなるため有効だ。男子では国枝慎吾(ユニクロ)が得意とするショットだが、このボールを打つには身体のひねりや強い筋力が必要になるため、女子選手でマスターする選手は少ない。上地はフィジカル的な負担をカバーするため、ハードな体幹トレーニングと体力づくりを継続し、モノにしていった。

 リオのコートは「粘りがあって跳ねる」と選手は口をそろえ、ボールのスピードも落ちるため、女子の主流であるスライスは拾われやすくなる。逆に、このサーフェスならトップスピンは効果が増す。上地はリオに入ってからの練習でその感覚を掴み、試合でトライし続けた。とくに準々決勝のマリオレイン・バース(オランダ)戦では、うまく機能した。後ろに下がらされた相手は打ち急ぎ、イージーなミスを繰り返した。バースは今年の全仏オープンの覇者。強敵にも通用することが証明できた。一方で、準決勝のアニーク・ファンコート(オランダ)戦では、試合の流れをなかなか引き寄せられず、自分に有利なショットの選択に迷いが生じた。

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