以心伝心でともに戦う。
選手を支えるボッチャの競技パートナー

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

 重度脳性まひや四肢の重度機能障がいがある人向けに考案された"ボッチャ"。ジャックと呼ばれる目標球に、いかに自分のボールを近づけるかを競うスポーツだ。障がいによってボールを投げるなどの動作が難しい場合は、「ランプ」と呼ばれる勾配具を使用し、競技アシスタントのサポートを受け投球できる。

高橋和樹選手の指示通りにランプを動かしていく、大西遼馬さん高橋和樹選手の指示通りにランプを動かしていく、大西遼馬さん もっとも障がいが重いBC3クラスの競技アシスタントとして、リオの舞台に立ったのは、大西遼馬さん(滋賀県脊髄損傷者協会障がい者サポートセンタースマイルフレンズ)。13日から始まった個人予選に高橋和樹選手(自立生活センターくれぱす)と挑んだ。

 試合では、競技アシスタントはコートに背を向けて座る。選手から指示を受け、ランプの角度や長さ、方向を調整したりすることはできるが、振り返って投球の行方などを見ることはできない。また、競技アシスタントが選手に対してアドバイスをしたり、合図を送ったりすることも違反となる。

 ちなみに、高橋選手は口頭で指示を出すが、発語ができない選手は視線や眉毛の微妙な動きなどで指示するため、選手とアシスタントのコミュニケーションもこのクラスの見どころのひとつと言える。

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