日本人でただひとり。
リオパラを支えるゴールボールのレフェリー

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

 1チーム3人の選手同士がアイシェードを着け、鈴の入ったボールを投球して得点を競い合う視覚障がい者によるゴールボール。リオパラリンピックでも連日多くの観客が会場に詰め掛ける人気競技だ。

 そのコートに今、ひとりの日本人が立っている。

リオパラリンピックの舞台で笛を吹く新居平康さんリオパラリンピックの舞台で笛を吹く新居平康さん 新居平康(にい よしのり)さん。ゴールボールのレフェリーだ。昨年5月、全世界で約300人いる審判員の中から、リオパラリンピックに参加する精鋭12人のひとりに選ばれた。アジア人としては唯一の参加となっている。競技初日の現地時間8日、女子予選リーグのオーストラリア対中国戦ではファーサイドレフェリー(副審)を務め、冷静に仕事をこなした。

 審判は、テーブルサイドレフェリー(主審)とファーサイドレフェリー(副審)、10秒レフェリー、ゴールジャッジなどから構成され、それぞれに役割が決まっている。新居さんがこの日担当したファーサイドレフェリーは、観客の歓声など会場のノイズをコントロールしたり、選手のアイシェードや靴などの着用チェックをしたり、選手交代のアナウンスをしたりと、その内容は幅広い。

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