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【車いすテニス】銅メダルの上地結衣、
東京で「打倒オランダ」の決意 (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

 スーパーショットに沸く地元ブラジル人の歓声に交じって、日本語の声援が耳に届いた。「コートの上では自分ひとりで戦っているんですけど、応援してくださっている方々の気持ちがワンショット、ワンショットに込められていたと思います」。そう語ると、ぽろぽろと涙が頬をつたった。

 高校3年で出場したロンドン大会。その時は大会後にテニスをやめるつもりだった。だが、パラリンピックの雰囲気や国を代表して戦う選手の姿に改めて感動し、考えが変わった。テニスを仕事にするプロ選手となり、世界の舞台で戦う道を選んだ。2014年には全仏でグランドスラム女子シングルス初優勝。初めて世界ランキング1位にもなった。その後はライバルたちとしのぎを削り、世界を牽引してきた。

 車いすテニスの選手にとって、パラリンピックこそが最高峰の舞台。上地を含め、誰もが目指す頂点の場所だ。だが、そこに厳然と立ちはだかる国がある。オランダだ。女子シングルスだけをみると、1988年のソウル大会(この時は公開競技)から、今回のリオ大会まで、実に8大会すべてで、オランダ人選手が優勝。そのうち4大会は、金・銀・銅と表彰台を独占している。その背景には、早い時期から国を挙げた選手の発掘・育成システムが確立されていることがあるが、とにかく長期にわたって強い選手が途切れない。

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