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国枝慎吾、史上初のパラ3連覇へ。
苦境の中でも「自分の力を信じる」 (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Ito Shingo/AFLO SPORT

 7月のウインブルドンは欠場を余儀なくされた。これまでグランドスラムの中で唯一ダブルスのみの開催だったウインブルドンは、今年からシングルスも実施されることになっていた。長年、選手の声を代表して「グランドスラムにはシングルスとダブルスの両方揃うことが自然」と主催者に訴え続けてきた国枝にとって、モチベーションは誰より高かったはずだ。しかし、「どうしてもその時期にテニスができる状態ではなかった」といい、「テレビでライバルが優勝する姿を見て、ジェラシーを感じた」と当時の心情を打ち明けた。

 全仏オープン以降は、国内で治療とフィジカルの強化に充てたが、調子には波があった。約1カ月間テニスを離れた時期はどん底だった。「何度も心が折れ、一番苦しかった。もしかしたら、パラリンピックに出られないかもな......というところまで頭をよぎった」というほど、追い込まれていた。

 そんな彼を支えたのが、家族やコーチ、トレーナーたちだ。

「"チームクニエダ"が必死になって、リオの舞台に立たせようという思いで調整してくれた。それがなければ、今回は本当に厳しい出発になったと思う」

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