【車椅子バスケ】リオパラまで4カ月、日本の「ダブルエース」が激突 (4ページ目)
日本代表でも共有されている“ベーシック”は、及川HCが主宰するJキャンプや香西が通った米国のイリノイ大で重要視されているメソッドで、チームがそれを使えるようになるということは、香西が位置する世界レベルに近づくということだ。
及川HCは、香西がドイツにいる間もチームの試合動画を送り、意見を出してもらうなど参加を促したという。こうしてコミュニケーションを築いてきたことで、細かな連携がうまくいき、王者を追い詰めるチームへと成長したのだ。
もちろん香西自身の成長もある。“ベーシック”を実行し、周りの選手を使ってゲームをコントロールするスキルがさらに向上。日本にいるチームメートとのコンビネーションを作り上げた。この試合では、効果的な3Pシュートでチームを鼓舞した。
宮城MAXの藤本は言う。
「NO EXCUSEからは、リードされていても『いつでも逆転できる』心の余裕が感じられた。今まで見た(香西)宏昭で一番強い姿。思い出すだけで鳥肌が立ちます」
常に世界を見据えて海外で武者修行する藤本と香西。彼らの挑戦がそれぞれのチームの底上げとなり、日本選手権を盛り上げた。ドイツでは同じチームで高め合い、日本ではライバルチームで競い合う2人は、ナショナルチームでもともに高みを目指す。
リオパラリンピック開幕まで4カ月を切った。さらにたくましさを増したダブルエース、そして日本チームの躍進に期待したい。
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