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車いすテニス・上地結衣の実感「理想はフランス人ボランティア」 (2ページ目)

  • 文●スポルティーバ text by Sportiva
  • 写真●五十嵐和博 photo by Igarashi Kazuhiro

伊藤 国際大会にも多く出場するようになりましたが、つらいことはありませんか?

上地 私は海外に行くのがすごく好きで、海外の生活が全然苦にならないので、どこの大会に行くのもすごく楽しみなんです。毎回周りの皆さんは、競技やツアーの連戦が続くと、「家に帰って白いご飯が食べたい」とか、「自分のベッドで寝たい」とかっておっしゃっているんですけど、私ひとりだけ大会終盤になって残り滞在期間が3日とかになると「ああ、帰りたくない。ああ、帰りたくない」って毎日言って、「分かったから」ってよく言われていまして(笑)。15歳16歳ぐらいの時はよく言っていましたね。今は口に出さないですけど、やっぱり楽しい。海外の選手と一緒にいて、普段なかなか会えない日本の選手とかとも一緒にツアーをまわれるというのがすごく楽しくて好きです。

伊藤 特に好きな大会や国はありますか?

上地 国で言うと、私は韓国とフランスが好きです。韓国の大会はここ最近行けていないんですけど、またツアーの間に組み込めるなら行きたいなと思っています。

伊藤 韓国やフランスのどんなところが好きなんですか?

上地 韓国もフランスもどちらもなんですけど、言葉がまず英語じゃないというところが、好きなんです。英語だったらみんなが基本的に話せる言葉じゃないですか。でも英語圏じゃない国の場合、自分がその国の言葉を勉強すれば、その中でコミュニケーションを取ることができて、より一層仲良くなれるので。

伊藤 確かにそうですね。

上地 特にフランスの大会は、ボランティアの方がたくさんいて、食事を世話してくれたり、洗濯物を集めて持って行ってくれるボランティアの方とかが、地元のおじいちゃんおばあちゃんなんです。そういう方たちが、毎年行ってると、顔を覚えてくれて、「今日は勝った?」とかって聞いてくれるのが、すごくうれしくて。そういう人たちと接するのがすごく自分にとって、息抜きになるというか。試合が終わった後にご飯食べに行って、「今日勝ったよ」と言ったら「じゃあ、デザート持ってきてあげる」とか。そういうところは、健常者のテニスの大会ではあり得ないことだと思います。

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