2015.01.08

車いすテニス・上地結衣「世界1位になるのが早過ぎた」

  • 文●スポルティーバ text by Sportiva
  • 写真●五十嵐和博 photo by Igarashi Kazuhiro

盛りあげよう!東京パラリンピック2020(7)

車いすテニスプレーヤー上地結衣インタビュー Vol.1
 昨シーズン、ダブルスで年間グランドスラムを達成し、シングルスでも好成績を収めた上地結衣。弱冠20歳にして、素晴らしい活躍を見せた。来年に迫ったリオパラリンピック、そして2020年の東京パラリンピックでの活躍にも期待がかかる選手だ。そんな上地選手にまずは、2014年を振り返ってもらうとともに世界ランキング1位になってからの心境を語ってもらった。

2014年シーズン世界ランキング1位となった上地結衣選手伊藤数子さん(以下、伊藤)2014年シーズン世界ランキング1位になって、追いかける立場から追われる立場になりました。今の心境はいかがですか?

上地結衣選手(以下、上地)自分の中では1位であって1位じゃないというか……。ランキング的には1位なんですけど、ひとつひとつの技術で言えば、自分よりも丁寧だったり、技の種類が豊富だったり、上の選手はたくさんいると思うので。やっぱりそういう選手のいい所をすべて集めたのが自分でありたい。それが1位であるべきだと思っているので。そのあたりは、まだ自分がイメージしていた1位とはかけ離れていますね。

伊藤 そんなに違うんですか?

上地 そうですね。やっぱり自分が身近で見ている国枝慎吾選手や、ロンドンまでずっとトップだったエスター・バーガー選手(※1)というのは、自分が見る限り、負けたところを見たことがないくらい確立されたものがあって。それに比べて、自分はまだ揺らぐ時ももちろんありますし、自分のプレーだけに集中できない部分もあります。それが出てしまったのが11月のシングルスマスターズ(※2)で。そのあたりで、本当にギャップというのは感じますね。
※1 オランダの女子選手で、シドニーパラ、アテネパラ、北京パラの金メダリスト
※2 全米オープン後、そのシーズンの世界ランキングトップ8が出場する大会。2014年上地選手は予選リーグを通過するも初戦敗退。

伊藤 じゃあ、ご自身でこうありたいという理想像があるんですね。

上地 そうですね、もちろん。

伊藤 そこへ計画的に近づいていくスケジュールみたいなものはあるんですか?

上地 もちろん2016年のリオパラリンピックが、自分にとってのひとつのゴールでもあるので、そこに向けて完成形により近づけられるようにしていきたいとは思っています。

伊藤 そう言えば昨年、「こんなに早く1位になるとは思っていなかった」というコメントをしていましたが。

上地 そうですね。2013年がプロとしての活動を始めた1年目だったんですけれど、その時点で既に自分が想定していたランキングをはるかに上回っていて。2014年の目標は世界ランキング1位と、シングルスのグランドスラムのタイトルをひとつは獲るということでした。でも実際は、ひとつひとつの試合を丁寧にして、善戦できたらうれしいな……というぐらいの気持ちでいたので、そういう意味ではちょっと駆け足過ぎるな、うまくいき過ぎているなというのは自分もコーチも感じています。