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【大相撲】21歳の"横綱キラー"藤ノ川が語る新関脇の景色 受け継いだ四股名にも「プレッシャーはない」 (3ページ目)

  • 内藤瑠那●取材・文 text by Runa Naito
  • 梶礼哉●撮影 photo by Reiya Kaji

【体重差をひっくり返す立ち合い】

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 藤ノ川の相撲の特徴は、"立ち合いの速さ"にある。先に両手をつき、相手が手をついた瞬間に当たる。2026年名古屋場所で金星を飾った両横綱戦は、どちらも突き落としで決めた。

 同じ関脇の熱海富士は197kg。70kg以上の差を、藤ノ川は動きで補う。自分よりも大きな相手に正面から当たる以上、ケガの危険はつきまとう。

 先に手をつくスタイルはいつ出来上がったのか。

「昔から、小学生の頃からっすね。気づいた時にはそうなっていました」

 立ち合いは教わったわけではないという。相手を待つ間は、ただ「手をつくのを待っている」という。

 父の甲山親方は「先に手をついたほうが、相手がパッとついた瞬間、コンマ何秒か早く当たれる」と話す。もともとは、少年時代のアマチュア相撲で身につけた作法だ。

「アマチュア相撲は、両方が両手をついた状態で主審が『はっけよい』やから、大相撲とは立ち合いが違う。もともと両手ついてるのがスタンダード」

 これまでに横綱から挙げた金星は4つ。しかも横綱初挑戦からの横綱戦4連勝で、戦後初の快挙。巷では"横綱キラー"と呼ばれている。今年3月の大阪場所3日目に大の里、4日目に豊昇龍を、7月の名古屋場所2日目に大の里、同3日目に豊昇龍を下した。

 藤ノ川は自分の取組をすべて覚えているという。一番記憶に残っているのはどの取組なのか。

「大阪場所の豊昇龍関戦かな。決まった瞬間を覚えてます。うれしかったですね」

【三役昇進に、父・甲山親方から「おめでとう」】


伊勢ノ海部屋の看板の前で伊勢ノ海部屋の看板の前でこの記事に関連する写真を見る

 前頭筆頭で迎えた名古屋場所、勝ち越しを決めた時点で三役昇進はほぼ確実となった。甲山親方からは「おめでとう」とひと言。親子のやりとりはそれだけだった。個人的なお祝いも、特にはやっていないという。

「プレッシャーは感じない」「背負ってない」という本人の言葉を甲山親方に伝えると、こう答えた。

「プレッシャーは別にないでしょ。この地位を守ろうとか、落ちないようにしようとか思うと、変なプレッシャーがかかる。負けてもともと。上位の人とやるんやから」

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