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【ミラノオリンピック】女子チームパシュートに銅メダルをもたらした髙木美帆と佐藤綾乃の絆「安心してうしろを任せられた」「かけがえのない存在」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Toshimi Oriyama

【髙木と佐藤の関係性】

 一方、チームを牽引した髙木は悔しさを滲ませ反省を口にしていた。

「予選で自分がもっといい滑りをすれば、1位通過で準決勝にいけていたと思うし、準決勝も自分ができるパシュートの最良のペース展開をしようと思って臨んだのですが、ギリギリで負けて難しさを感じました。ここまで来ることはできましたが、私が先頭走者として、こういう際どいレースで自分の力を最大限発揮して、いいレースをするという経験値を、この4年間でなかなか積み上げてくることができなかったのが、一番の敗因なのかなと思っています」

 だが、平昌五輪から挑戦し続けている髙木と佐藤にとっては、金メダルと銀メダルに次ぐ3個目となる銅メダルで、誇るべきメダル獲得だった。

 長年一緒に戦ってきたふたりは、お互いの存在をこう語る。

「私がパシュートに出るようになってからの五輪3大会で、佐藤とずっと一緒にやってきたと思うと、感慨深いものがあります。最初はまだピチピチの女子大生だった佐藤が、決勝を迎える前夜に半ベソをかきそうなほど緊張していたのを覚えています。今では後輩たちを力強く支える頼もしい先輩になって、私も安心してうしろを任せられたし、ここまで一緒にやってくれてよかったなと思います」(髙木)

「パシュートについてわからなかった時は、一番年齢が近かった美帆さんが前を走りながら、私のことも気にかけていろいろなアドバイスをくれました。美帆さんはパシュートでは常に一番手をやるので、私は長い間そのお尻しか見てこなかったのですが、(彼女の)うしろを滑る経験が自分の個人の滑りにもつながったので、本当に感謝しかないです。

 美帆さんはチームパシュートに欠かせない存在だし、美帆さんが先頭で眼になって、引っ張ってくれる信頼感は大きかったです。自分をここまでずっと世界のトップで走らせてくれた、本当にかけがえのない存在の先輩です」(佐藤)

 髙木はまだ五輪後の進退を明らかにしていないが、佐藤は「自分にとっては最後のパシュートになる」と話していたため、今後ふたりが共に滑る姿を見ることはないだろう。

 そんなベテランふたりがチームにもたらした銅メダル。これは五輪初メダルだった堀川と野明にとって、「これから銀、金へとステップアップしていけ」という思いを託した襷になったはずだ。

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