検索

【ミラノオリンピック】女子チームパシュートに銅メダルをもたらした髙木美帆と佐藤綾乃の絆「安心してうしろを任せられた」「かけがえのない存在」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Toshimi Oriyama

【総力戦で獲得した銅メダル】

 それから3日後の最終ラウンドは、準決勝を行なったあと、約1時間40分後に3位決定戦と決勝があるスケジュールだった。2レース目がどちらになるかに関わらず、準決勝には予選と同じ堀川を使い、決勝には堀川の疲労を考慮して野明花菜(立教大)を起用すると決めていた。金メダルを目指すなかで準決勝は最大の勝負の場だった。日本はオランダに勝つために攻めではなく、前半を抑え目に行く作戦を実行した。

 結果的にウイリアムソン師円コーチが「今季で一番いい、日本ベストレースだった」と高評価する滑りになった。重視したのは、予選で前の3周目よりも落ちていた4周目のラップタイムを落とさないこと。そこを上げる滑りにした日本は、5周目後半でオランダを上回り、半周を残して0秒18差をつけて決勝が見えていた。しかし、最後は逆転されて3位決定戦へとまわることになった。

 金メダルの夢は惜しくも途絶えたが、総力戦で銅メダル獲得に目標を切り替えた。2番目を滑る野明は、メダルマッチが五輪初出場という緊張感から、アメリカとの3位決定戦で、スタートで躓いて出遅れた。野明はこの時の状況をこう振り返る。

「スタートではインエッジしか使わないのに、なぜかアウトエッジに入ってしまって、個人レースでもやったことがないミスをして焦りました」

 それを救ったのが3番目にいた佐藤だった。

「私もびっくりしたけど、気づいていない美帆さんに声を掛けて、(野明が)落ち着いてスタートできるようにしました。入りの半周で固まらないと最後に響くし、そこで無理に力を使ってしまっても最後に影響するので野明をフォローしながら滑りました」

 野明を少しプッシュして半周までには隊列を整えた。野明はゴール手前でもバランスを崩したが、佐藤は「ゴールできれば絶対にメダルは獲れると信じていたので、あそこは意地でも支えるつもりだった」と笑う。

 そんなアクシデントはあったが、レースは1周目からアメリカをリードして、銅メダルを獲得した。

 3位決定戦を見守った堀川は、「準決勝で勝って野明に託したかったけど、それができなくて悔しかったですが、勝ちきってくれたのはうれしいです」と笑顔を見せた。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る