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中野慎詞がコーチからの「無理」な要求で気づいた自分の強み 盟友・太田海也とケンカした過去も明かす (2ページ目)

  • text by Sportiva

――そのレースが飛躍のきっかけだったんですね。ナショナルチームで活動して今年で7年目になりますが、今はどのようなフェーズにいるのでしょうか。先日、滝行をして悪い流れを断ちきるという企画もされていましたが。

 能力としてはすごく成長していると思いますが、それが結果に結びついていませんでした。4月に競輪で車体故障があってレースを棄権したり、5月のジャパントラックカップで転んでしまって肩をケガしたりしていました。そんなことが連続であったので、どうにかこの流れを断ちきりたいと思いました。

 もちろん自分の能力で打ち破るのが一番ですが、自分ができることをやったうえで、神社に御祓いにも行きましたし、滝行にも行きました。本当に自分を変える気で行きました。そうしているなかで、8月の全日本選手権で自己ベストも出しましたし、ケイリンで2位と結果も出ましたので、今はいい流れに入ってきているのかなと思っています。

穏やかな語り口ながら、言葉の端々に自信と闘志がみなぎる photo by Noto Sunao(a presto)穏やかな語り口ながら、言葉の端々に自信と闘志がみなぎる photo by Noto Sunao(a presto)この記事に関連する写真を見る

【お金に代えられない価値】

――スプリントとケイリンでは短距離でも大きく内容の異なる種目となりますが、中野選手はケイリンのほうが得意なのでしょうか。

 みんなはケイリンが苦手と言うんです。自分以外の5人を見てレースをしないといけないから。スプリントに関しては、海外の選手にはよく「1対1だから相手だけ見ればいいじゃん」と言われます。僕にはそれが意外と難しくて、相手のペースになってしまったりします。

 ケイリンは6人で走るので、全員が僕だけを見ているわけではありません。それぞれがいろんな選手を見ているので、どこかで隙ができるんですよ。その隙を突いて仕掛けられるかどうかです。

 逆に全員が僕のことを見ていたら、僕が動くのを待つレースになります。僕が仕掛けたのを見て作戦を立てたりするので、そうなると僕はより走りやすいですね。そこは僕のように長い距離を踏める選手だからこその特権なのかなと思います。

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