カーリング女子日本代表の上野結生「オリンピックに出るのは目的」という彼女が目指すもの (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

――卒業後の進路、就職など、今後についてはどう考えていますか。

「基本的にはお仕事をさせていただきながらカーリングを続けたいので、クラブと相談しながら、今いろいろと進めているところです」

――ところで、この夏にはパリ五輪が開催されました。ご覧になりましたか。

「家族では柔道を見ていましたが、個人的には東京五輪の時から興味を持ったスポーツクライミングが面白かったです。リードという種目では、競技開始前に他国の選手であっても、選手同士がルートなどを相談(オブザベーション)しているのが、新鮮な驚きでした」

――パリ五輪をご覧になって、いろいろと刺激を受けた部分もあると思いますが、ご自身たちが目指す2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けて、改めて感じることなどはありましたか。

「やはりオリンピックっていう舞台は、世界選手権とはまたひと味違った、特別なものに見えてきています。もちろん自分も出場したいですし、ロコ・ソラーレさん(の成績)を超える金メダルも獲得したいです。ただ、カーリング人生において、オリンピックがすべてではなくて、オリンピックはどちらかというと目的に近いものです」

――というのは、どういうことでしょうか。

「カーリングを通して、人に勇気や希望を与えられる選手になりたい、というのが私の目標です。そのためには、多くの人の目に触れるオリンピックに出るのが目的。そこは見失わずに、カーリングを続けていきたいなって思っています」

(つづく)◆カーリング女子日本代表・上野結生が振り返る初めての世界選手権>>

photo by Fujimaki Gohphoto by Fujimaki Gohこの記事に関連する写真を見る上野結生(うえの・ゆい)
2002年12月17日生まれ。長野県軽井沢町出身。SC軽井沢クラブ所属。8歳でカーリングを始め、器用で安定したショットを武器にジュニア時代からフロントエンドの選手として頭角を現わす。2022年から3年連続で世界ジュニア選手権ファイナルの舞台に立つなど、輝かしい実績も残している。2024年に日本選手権で初優勝を果たし、世界選手権のアイスでも好ショットを重ねた。長野大学環境ツーリズム学部4年生。趣味は編み物。

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