カーリング女子日本代表の上野結生「オリンピックに出るのは目的」という彼女が目指すもの (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

――事実、結生選手はジュニア世代から国内外ですばらしい結果を残してきました。世界ジュニア選手権ファイナルのアイスに3度も乗って、金(2022年)、銀(2023年)、銀(2024年)と3つのメダルを持っている選手はなかなかいません。金メダルは姉の美優選手と同じチームで獲得していますが、美優選手のストロングポイントをどのように分析していますか。

「姉は、イメージとしてはわりとドローが得意と言われているのですが、速いウェイトのショットも強みだと思います。メンタルの部分では、マイナスな感情を試合中に出さず、どんな場面でもチームメイトに対して『ナイス』と声をかけてニコニコしているのは、ほかのスキップにはない姉のよさかもしれません」

――確かに、いつも楽しそうにカーリングをしている印象があります。そこは、ある程度意識してそうしているのか、本当に「カーリング大好き!」という人なのか、妹の目から見ていかがですか。

「そもそもの土台がカーリング好きで、いつも『カーリングが楽しいからやる』って言っているので、ああいうふうにニコニコしてやっているんだと思います」

――やはり基本的に明るい方なのですね。姉妹で喧嘩をしたりすることはあるのでしょうか。

「ときどき、あります。もう本当にささいなことで。お弁当箱をどっちが洗うか、とか(笑)」

――カーリングの話を家ですることはありますか。

「することもあります。『こんな練習したいよね』とか、『カナダのあの街がきれいだったね』とか」

――そのカナダなど、海外遠征におけるチーム内の役割はどういった感じなのでしょうか。

「(移動する車の)運転は(西室)淳子さんがしてくれて、姉はだいたい移動中のDJですね。自分が好きな音楽というより、みんなの好きな曲を集めて流してくれます」

――結生選手のプライベートな話も少し聞かせてください。現在、長野大学の環境ツーリズム学部の4年生ですが、卒業に向けて単位などはしっかり取れていますか。

「単位はほぼほぼ取っているので、大丈夫だと思います。あとは、ゼミの卒論ですね」

――差し支えなければ、卒論のテーマを教えていただけますか。

「軽井沢町の交通渋滞による環境への影響、みたいな感じです。地域新聞の過去記事などを参考にしながら書いています」

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