伊藤華英と柳原真緒が「アスリートの生理」の課題を語り合う「GPを獲れたのは生理に対処できたからだと絶対に言いきれる」 (5ページ目)

  • text by Sportiva

――これからガールズケイリンを目指す選手、それからアスリートとして競技に励んでいる選手に向けてメッセージをお願いします。

柳原 自分は生理の課題に向き合ったことによって、その部分ではノーストレスで臨めていますので、本当によかったと思っています。

 ガールズケイリンはプロの世界ですので、もちろん大変な部分はあります。そのほかの競技でもそうだと思いますが、苦しい練習を積み重ねれば、その先には絶対に喜びがあると思っています。その喜びの景色は今でも記憶に鮮明に残っています。みなさんも生理の課題にしっかりと向き合って、ぜひそれぞれの競技に励んでほしいなと思います。

伊藤 生理は煩わしいもの、我慢するもの、きついものではなく、一人ひとりに合った対処法がありますので、悩まずに、先輩や周りの選手に聞いてほしいですし、そんな関係を築いてほしいです。柳原選手にはぜひそのロールモデルになっていただけたらうれしいですね。そしてガールズケイリンを引っ張っていってもらいたいと思っています。

インタビュー後編「柳原真緒が『めちゃくちゃ迷惑』と爆笑した伊藤華英の駆け引きとは」>>

【Profile】
伊藤華英(いとう・はなえ)
1985年1月18日生まれ、埼玉県出身。元競泳選手。2000年、15歳で日本選手権に出場。2006年に200m背泳ぎで日本新、2008年に100m背泳ぎでも日本新を樹立した。同年の北京五輪に出場し、100m背泳ぎで8位入賞。続くロンドン五輪では自由形の選手として出場し、400mと800mのリレーでともに入賞した。2012年10月に現役を引退。その後、早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科に通い、順天堂大学大学院スポーツ健康科学部博士号を取得した。現、全日本柔道連盟ブランディング戦略推進特別委員会副委員長、日本卓球協会理事。

柳原真緒(やなぎはら・まお)
1997年5月18日生まれ、福井県出身。身長164cm、体重68kg。中学・高校と陸上競技の投てきに励み、高2で日本ユース陸上競技選手権大会JOCカップ砲丸投げ5位、高3で国民体育大会やり投げ4位と好成績を残した。ケガの影響もあって自転車競技に転向して実績を積み、日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学。2018年、21歳の時にデビューし、翌年からガールズケイリン特別レースに出走。2022年にガールズケイリンコレクションいわき平ステージで優勝すると、その年末のガールズグランプリ2022で初出場・初優勝の快挙を成し遂げる。

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