伊藤華英と柳原真緒が「アスリートの生理」の課題を語り合う「GPを獲れたのは生理に対処できたからだと絶対に言いきれる」 (2ページ目)
――どのような悩みだったのでしょうか。
柳原 自分は気持ちの浮き沈みが結構ありました。生理自体というよりは、生理になるのが嫌だという気持ちです。ここらへんで生理がくるな、このレースにかぶるな、嫌だなという思考ですね。決勝の次の日に生理がくるとわかっても、その前日は体が重くなって、サドルに座る時もしっくり感がまったくなくなるので嫌だなと。まさに負の連鎖でしたね。
伊藤 お話を聞いてすごく悩んでいるなと感じましたが、その時には「対処すれば改善できるよ」と伝えました。
柳原 その言葉を聞いて、全然深刻な話ではないなと感じました。メンタル的にもそこで大きく変わりましたね。専門の先生に診てもらって、薬を処方してもらい、それ以来ずっと薬を飲んでいます。今は生理に対してノーストレスです。
――その悩みをほかの選手に相談することはありましたか。
柳原 まったくなかったです。みんなにピルを飲んでいるかいないかと聞いたことはありましたが、飲んでいる人はほとんどいませんでした。
伊藤 私も現役時代、周りの選手やコーチ陣に相談したことは、ほぼなかったです。2キロくらい体重が増えてきたら、コーチは生理前かなと感じていたようでしたし、自然にくるものだから、という感覚で考えていたんだと思います。
柳原 それでも練習量は変わらないですよね。
伊藤 そうですね。私は男子選手と練習をしていたので、生理を理由に負けたくないと思っていました。
柳原 競輪の練習は男子選手とグループでやるので、力の差もあって男子と競り合うことはないんですが、生理だからこの練習メニューはこなせない、というのは自分のなかで許せませんでした。
現在は生理に対してストレスを感じないと語る柳原選手 photo by Noto Sunao(a presto)この記事に関連する写真を見る
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