<アスリート医学生対談>柔道世界女王で医学部合格の朝比奈沙羅に元プロ野球・寺田光輝は尊敬のまなざし「恐れ多すぎる存在です」 (2ページ目)

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【試験前は1日12時間の勉強じゃ足りない...】

ーー同志ともライバルとも呼べるような関係のふたり。医学生として最近の勉強の様子を聞かせてください。

朝比奈 やっぱり勉強がけっこうしんどいなって思っていて......。3年になると、基礎知識よりも、基礎知識に基づいたプラスアルファの「ザ・医療」みたいな、臨床的な内容の授業が出てきます。根本を理解できてないとつまずいちゃうので、基礎に繰り返し戻りながら勉強していますが、なかなかきついですね。

この記事に関連する写真を見る寺田 朝比奈さんが言ってくれたのが、もう全部そのまんまなんですけど......。

朝比奈 すみません。ちょっとしゃべりすぎかな(笑)。

寺田 いえいえ。とにかくテストの数が尋常じゃない。もちろん医学部をなめていたわけじゃないんですけど、「これが医学部か!」って感じ。こんなに勉強するんだなというか。でも一方で、医学部らしくなってきたので、楽しい面もあります。目標にしている世界の勉強なので、高校の勉強とかとはまた違って、直接将来に役立つ勉強という実感があって充実しています......本当にやばいんですけど(笑)。

この記事に関連する写真を見るーー勉強が大変すぎて医学部入学を後悔したということは?

朝比奈 後悔まではないですね。日本では医学部に入るのはハードルが高くて、入学してしまえば何とかなるみたいな話をけっこう聞いていましたが、むしろ入ってからのほうが受験時よりも勉強している感覚です。試験前は寝て食べてトレーニングして、あと残りの時間はずっと勉強みたいな。高校生の時、とくに現役での大学受験の時は、1日12時間とか勉強して、やってるなあって感じだったんですけど、今はもうそれ以上というか。12時間じゃ足りないんですよ。しんどいですが、やっぱり人の命を預かる仕事なので、そんなことを言っている場合じゃない。やるしかないからやるっていう感じですかね。

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