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世界選手権銅メダルの内野艶和 パリ五輪出場争いとガールズケイリンの両立も「一番を目指すことに変わりはありません」 (2ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro
  • 軍記ひろし●撮影 photo by Gunki Hiroshi



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【早くから才能を発揮した逸材】

 内野が自転車競技を始めたのは高校から。その能力はある特別なプロジェクトにより見出された。

「福岡県スポーツ協会などが実施していた『福岡県タレント発掘事業』というものに、中学1年生から入っていました。これは様々なスポーツに触れながら、自分に合った競技を見つけられる活動なのですが、そのプログラムのなかで日本の自転車競技の中心である伊豆ベロドローム(静岡県伊豆市)のバンクを走らせてもらう機会があったんです。ペダルを踏んだら踏んだだけスピードが出るのが楽しくて、そこに魅力を感じました。

 もともと中学校では部活動でバスケットボールをやっていたのですが、個人競技も面白いなって思いましたし、最終的に自転車競技の適性があることもわかりました。他にヨットやボクシングなども向いていると教えていただいたのですが、自転車をやることに迷いはなかったです」

 高校入学後に本格的に自転車競技を始めると、全国高校選抜大会では6kmスクラッチと個人ロードレースで2連覇、2kmインディビデュアルパシュートでも大会新で優勝するなど、その才能は一気に花開いた。

 そして高校2年でジュニアのナショナルチーム入りを果たし、高校3年で出場したジュニア世界選手権ポイントレースでは優勝をつかんだ。世界で戦える逸材であることを示したのである。

「世界のいろいろなところでレースをするのは楽しいですよ。日本と違う文化が経験できますし、練習やレース以外ではチームメイトとでかけたりもします。今年の世界選手権も事前合宿をフランスのルーベで行ない、世界選手権後にスイスでロードのステージレースを走ったので、1ヶ月半も遠征していました。これまでになく長かったけれど、終わってみればあっという間でしたし、中身が濃い時間でした」

 環境の変化も楽しめるその性格は間違いなく、国際大会向きだ。競技の話をする時は笑顔を絶やさず、表情も豊かで、心から自転車を楽しんでいる様子がうかがえる。

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