世界選手権銅メダルの内野艶和 パリ五輪出場争いとガールズケイリンの両立も「一番を目指すことに変わりはありません」 (3ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro
  • 軍記ひろし●撮影 photo by Gunki Hiroshi



常に明朗快活に話す内野常に明朗快活に話す内野この記事に関連する写真を見る

【ガールズケイリンとの両立を楽しむ】

 高校卒業にあたり、日本競輪選手養成所に入所し、プロの競輪選手を志した。内野の地元にある久留米競輪場は東京五輪代表の小林優香、ガールズケイリンで3度のガールズグランプリ制覇を経験した児玉碧衣など、多くの有力選手を輩出している。その背中を追うのは必然の流れだった。

「子どもの頃からスポーツが好きで仕事にできればと思っていました。大学に進む道もありましたが、4年たってもガールズケイリンの選手になることに変わりはないなと思い、養成所に入ることを決めたんです」

 2021年にデビュー後はすぐに初勝利、初優勝をつかむ。だがプロ入り後も軸足はナショナルチームにおき、伊豆ベロドロームを拠点にトレーニングを積んでいる。ガールズケイリンの出走は月1回程度と少なく、加えて自転車競技で中長距離を主戦場とする内野にとって、短距離のスプリント力が求められる競輪はある意味、専門外で両立は決して簡単ではない。

「ガールズケイリンで戦っている選手の皆さんは大きなレースに目標を定め、トレーニングを積んでいます。ですので、私がその舞台で互角に戦うのは簡単ではありません。実際、ガールズケイリンに行くたびに、もっと専門の練習をしたいと思います。ただどっちつかずになってもいけないので、今は自転車競技に集中し、ガールズケイリンに呼ばれたときに気持ちを切り替え、スイッチを入れるようにしているんです。短距離なので『出遅れられないぞ、ガァーって入るぞ』って(笑)。でもどちらも一番を目指すことには変わりありませんので、大きな違いはないですよ」

 自転車競技とガールズケイリンの両立という難しい挑戦も、ポジティブな性格で乗り越えているようだ。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る