世界選手権銅メダルの内野艶和 パリ五輪出場争いとガールズケイリンの両立も「一番を目指すことに変わりはありません」 (4ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro
  • 軍記ひろし●撮影 photo by Gunki Hiroshi

パリ五輪に向けて視界良好の内野パリ五輪に向けて視界良好の内野この記事に関連する写真を見る

【今の目標はパリ五輪出場権獲得】

 今の目標はパリ五輪、日本はチームパシュートでの出場権獲得だ。この種目は1チーム4人で4kmを走り、3人目のタイムで争われる。インディビデュアルパシュートと同じく、2チームがトラックの反対側からスタートし、先にフィニッシュするか、相手を追い越すと勝負が決まる。この種目のパリ五輪出場権が与えられるのは10カ国。各大陸選手権や、2023年、24年の各シーズンにおけるUCIトラックネーションズカップ、23年UCIトラック世界選手権の成績をもとにしたオリンピックランキングで出場国が決まる。

「チームパシュートで出場権をつかめれば、その国にはオムニアムやマディソンの出場権も与えられます。今回の世界選手権で、私はポイントレースでメダルが獲れましたが、各国の本命選手はオムニアムに集まっていて、私が敵わない選手ばかりです。そうした選手相手に戦えるようにパリ五輪に向け、チームでも個人でも結果を出し続け、自信をつけていきたいと思います」

 自転車競技に取り組みナショナルチームで戦う理由は、楽しいから。勝つことで得られる楽しさはもちろん、ともに戦うナショナルチームのメンバーと大きな目標を目指すことも楽しいと話す。そのパリ五輪出場権獲得に向けた戦いはここから本格化する。内野はどんな形で夢舞台への切符を掴むのか、その歩みに注目だ。


【Profile】
内野艶和(うちの・つやか)
2002年1月13日生まれ、福岡県出身。高校から本格的に自転車競技を始め、高校2年で全国総体女子2000メートル個人追い抜きを制し、3年生時に世界ジュニア選手権の女子ポイントレースで優勝する。高校卒業後に日本競輪選手養成所に入り、成績3位で卒業。2021年5月に競輪デビューを果たす。同時期にナショナルチームのトラックレース中長距離の強化指定選手にも選ばれ、2023年8月の2023UCI自転車競技世界選手権トラックのポイントレースで銅メダルに輝く。同年9月末に開催されたアジア競技大会 女子チームパシュートで金メダルを獲得した。

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