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「選手を糸で操る」感覚でレースを支配 佐藤水菜がアジア選手権のケイリンで二連覇 (2ページ目)

  • text by Sportiva

――そんな体調のなかでスプリントでの銀メダルというのは、評価できると思いますが。

 こんなコンディションでも、中国人選手と戦って勝ったことのほうが、自分としてはメダル以上に得るものがありました。ジャン・ユールーという18歳の選手との対戦だったんですが、自転車競技を始めてまだそれほど経っていない選手なのに、自分よりもパワーを持っている印象でしたし、すごくいいダッシュを持っていました。彼女は最終日の500mTTで金メダルを獲得していましたから、今から成長がすごく恐ろしいなと感じました。

 チームスプリントもスプリントも金メダルには届きませんでしたが、レースでは弱音を吐いてはいけないと思いますし、吐けないので、とにかく痛みを早くとってケイリンに切り替えたいという思いが強かったですね。

【アップ時からルンルン】

――そして大会5日目にはケイリンで予選、準決勝、決勝のすべて1着の完全優勝でした。今年の国際大会シリーズ「UCIトラックネーションズカップ」の第1戦(2月)、第2戦(3月)では2連覇もしていますし、やはりケイリンには特別な思いがありますか。

 今回のアジア選手権では3種目走ったんですけど、アップする時から楽しいのが、ケイリンなんですよね。私はスプリントのように1対1で対戦するよりも、ケイリンのように大勢で戦うほうが好きでやりやすいんです。すごくワクワクした気持ちで楽しくてルンルンしていて、いざレースに向かう時も楽しいです。

――この時にはもうコンディションは万全だったのでしょうか。

 腕の痛みはありましたが、それをカバーできるくらい楽しくて。アドレナリンが出ていたというよりも、自分の前向きな気持ちが痛みを上回っていたという感じです。それに自分の目標は8月の世界選手権で勝つこと。アジアで負けるわけにはいかないという気持ちも強かったですね。

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