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ロコ・ソラーレ吉田知那美が「大舞台に挑む時にこそ、心にある」という本橋麻里の「金言」

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

カーリング女子日本代表として、日本カーリング史に刻まれる数々の快挙を遂げてきたロコ・ソラーレの吉田知那美。彼女がこれまでの人生で影響を受けた「言葉」や「格言」、さらには彼女が戦いの舞台で発してきた「言葉」や「名言」にスポットを当てた同連載。今回は世界選手権の開催に合わせて、急きょ3回目を記載したい。取り上げるのは、ロコ・ソラーレの代表である本橋麻里の「名言」だ――。

吉田知那美にちなんだ『32の言葉』
連載◆第3エンド

カーリングが人生なのではなく、
人生のなかにカーリングがある。
(本橋麻里/(社)ロコ・ソラーレ代表理事)

ロコ・ソラーレ代表理事の本橋麻里さん。photo by Fujimaki Gohロコ・ソラーレ代表理事の本橋麻里さん。photo by Fujimaki Gohこの記事に関連する写真を見る ご存知の方も多いかもしれませんが、我らが本橋麻里ちゃんの「名言」です。

 偉大な選手であって、私たちにとっては社長でもある麻里ちゃん。きっと彼女はこの言葉をベースのひとつとして、ロコ・ソラーレを作ったんだろうな、と私は感じています。

 でも、正直に告白します。私はこの言葉を何かの記事で読んで知ったと記憶しているのですが、その時は言葉として私のなかに残っていても、まだ本当の意味は理解できてなかったんです。

 また、2014年にロコ ・ソラーレに加わった時に麻里ちゃんに「ちなにはもっとカーリングを利用してほしい」と言われました。そのセリフも、解釈を間違えばネガティブに響くというか、当時の私には難しかった覚えがあります。

 私はそれまで、脇目もふらずにカーリングだけに集中して、競技にとことん向き合ってのめり込んで、自分を追い詰めること――それが強い選手になるための、唯一の道だと考えていた気がします。だから、ロコに入った時もチームに対して「もっと上を目指そうよ、カーリングにもっともっとコミットしようよ」といった要求をして、勝利への意志をチームメイトに押しつけて空回りしていた時期がありました。

 でも、麻里ちゃんやロコのメンバー、あとは対戦を重ねるごとに仲よくなっていった今回の世界選手権でもスウェーデン代表になっているチーム・ハッセルボリのメンバーをはじめとした、世界のトップ選手と接していくうちに、みんなにとってカーリングは、あくまで人生を豊かにするためのツールであることが少しずつわかってきました。

 それぞれの人生のなかにカーリングとの接し方があって、カーリングでの成功だけが人生、という人は少なかった。そしてカーリングには、そういうスタンスで世界一になっている選手が本当に多いんです。

 そのひとりに、私が尊敬するサードであり、スイス代表などでプレーしたアイリーン・ショーリという名選手がいます。

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