ロコ・ソラーレの石崎琴美が振り返る北京五輪。決勝前、選手たちの「表情が少し硬いかなと感じた」 (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • photo by JMPA

――石崎選手は基本的にどんな話をされるのですか。

「私のところにくるまでに、氷の状態や戦術については話が挙がっているので、何も言うことがない時もあるんです。そういう時や、何も言わないほうがいいだろうなと感じる時は『私からは特にないよ。頑張って』くらいなんですけど」

――決勝戦では選手たちの表情が少し硬く見えた、と。そこで、どんな話をされたのでしょうか。

「本人たちも(それを)意識しているのかどうか、という感じでしたけどね。だから、少しだけでも笑わせたいなと思って、『口角を上げていこう』と言いました。『みんな、笑っている顔がいいんだから』と。『でももう30歳。口角を上げていかないと(テレビに)ブサイクに映るから気をつけてね』と言って、送り出したのは覚えています」

――銀メダルを獲得したことについて、メンバーはそれぞれの思いを語ってくれましたが、石崎選手はどう感じていますか。

「私がこれまでに参加したオリンピックは、日本は常に挑戦する立場だったのに、2大会連続でメダルを獲るなんて、あの4人は本当に強いチームなんだなと思います」

――最後に、その強い4人と過ごす今季最後の大会、日本選手権に向けての抱負を聞かせてください。

「日本国内のレベルも高くなって、どこが勝つかは誰にもわからないのですが、みんな最後まで口角上げて頑張ってほしいですね。亮二さんがお祈りを捧げてないか、コーチボックスにも注目してみてください(笑)」

石崎琴美(いしざき・ことみ)
1979年1月4日生まれ。北海道旭川市生まれ、帯広市育ち。2002年ソルトレークシティ大会、2010年バンクーバー大会に続いて、3度目の五輪出場となった2022年北京大会で銀メダルを獲得。冬季では日本人として史上最年長の五輪メダリストとなった。このオフにしたいことは「行けるようになるならソウル旅行」。

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