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「コロナで引退レースもできずに陸上生活が終わった」。学生時代を不完全燃焼で終えた女性が"スパルタンレース"にかける夢 (4ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

 世界40カ国以上、年間170以上のレースが開催されているワールドワイドなスポーツ。日本でメジャーにするためにも陣在は、国内トップとして世界に通用する選手にならなければいけない。

「目指すはアジアでトップ、そして世界選手権で入賞することです」

 目を輝かせ陣在は言う。昨年12月に初参加したアブダビで行なわれた世界選手権では、砂漠のコースに悪戦苦闘し、自分の力のなさを痛感したという。

「日本で砂浜や砂丘でトレーニングしたのですが、砂漠はまったく別物で、地面からまったく反発をもらえずまともに走ることができませんでした......。足の爪も3枚持っていかれて......。ただ世界のレベルを実感することができましたし、自分が失敗した障害物を世界のトップがどう攻略しているのかバーピーしながら見ることができましたし、得るものo多かったと思います」

 負けん気の強さが表情に表れる。競技の性質上、鍛えるべきところは無数にあり、今は週6日、朝から晩までトレーニングに費やしている。またスパルタンレースは国内での開催数が少ないので、クロスフィットやトレイルランニングのレースにも参加する予定だ。

「基本的にわたしは勝つことが好きで、負けることが嫌いなんです。何をやっても勝負事は燃えますし、スポーツをやっている意味はそこにあると思っています」

 目下、5月28日の千葉大会にエントリーし、さらに9月17日の新潟大会で上位に入って12月開催の世界選手権の日本代表になることが目標だ。場所は再び砂漠の国・アブダビ。リベンジも含め、陣在の胆力が試される。

「自分が動けるうちは、自分の勝ちを目指したい」

 目指すは唯一無二のスパルタンレーサー。これからの陣在ほのかの活躍に注目だ。

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陣在ほのか じんざい・ほのか 
1999年、神奈川県生まれ。約10年間の陸上競技生活を経て、2020年7月、スパルタンレースに競技転向。「SPARTAN RACE 2021 YOKOSUKA SPRINT Elite」優勝、「SPARTAN RACE 2021 NIIGATA SUPER Elite」準優勝、「SPARTAN WORLD CHAMPIONSHIP BEAST」日本代表など実績を残す。SNSやYouTubeでは競技について日々発信している。

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