北京五輪で銀メダルの快挙。カーリング女子日本代表の鈴木夕湖が目指してきたスタイル (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

 グランドスラムも、世界選手権も、日本選手権も、長い大会になればなるほど、試合を重ねるごとに石の噛みがなくなるなど、アイスはどんどん真っ直ぐになってくる。その変化への対応が課題ですね」

――鈴木選手が自らの課題として、取り組んでいることはありますか。

「今季はトップ(ウエイト)の精度を上げようと思っています。うちは(リードの)夕梨花が、ウィック(フリーガードゾーンにある相手のストーンをずらす難易度の高いショット)が本当に上手なので、ミスがほとんど出ないのですが、万が一の場合、私のところでダブルピール(投げたストーンをプレーゾーンにある相手のストーンに当てて両方をテイクアウトするショットがピール。ダブルピールは相手のストーンを2つ弾き出すこと)ができると、簡単にブランク(エンド/両チームに点が入らないエンド)にできる。

 あとは、とにかく"やらかさない"こと。これ、私調べでしかないんですけれど、セカンドって男女共通で、世界的にやらかす人が多い気がするんです。だから、単純にセカンドさえやらかさなければ、勝てるんじゃないかなって。逆に言えば、ハッセルちゃん(平昌五輪金メダルのスウェーデン代表のスキップ、アンナ・ハッセルボリ)のところのセカンド、アグネス(・クノッヘンハウアー)ちゃんは、なかなかやらかさない。だから、強い。今季は"やらかさない私"になれるように、がんばっているところです」

(つづく)

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鈴木夕湖(すずき・ゆうみ)
1991年12月2日北海道北見市生まれ。小学校2年生時にカーリングをはじめ、2010年のロコ・ソラーレ結成時からオリジナルメンバーとしてプレーする。145㎝という身長ながら、世界トップレベルのスイープ力を発揮。相棒の吉田夕梨花とともに「クレイジースイーパーズ」と呼ばれ、2016年世界選手権の銀メダル、2018年平昌五輪の銅メダル獲得などに大きく貢献した。最近、ハマっているものは漫画。好きな作品は『キングダム』『ゴールデンカムイ』『アカギ』。

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