北京五輪で銀メダルの快挙。カーリング女子日本代表の鈴木夕湖が目指してきたスタイル (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――漫画を読んで、泣いたり、笑ったりするんですか。

「名場面で『おぉ』と感動はするのですが、私は滅多に泣かないんです。感受性が乏しいのかな。泣いたのは、オリンピックでメダルを獲った時くらいです」

――銅メダルを獲得した2018年平昌五輪から、はや3年が経ちました。

「感覚としては、はるか昔のことですね。もう来年は次のオリンピックがありますし、あっという間に時間が過ぎていって、怖いです」

――他のメンバーにも平昌五輪について振り返ってもらったのですが、鈴木選手にとって、五輪の舞台はどんなものだったのでしょうか。併せて、2022年北京五輪への思いも聞かせてください。

「五輪は楽しかったですけれど、やっぱり未知の世界ではあったので、『どんな感じだろう』という感覚が常にありました。次の北京五輪も出られるなら、知っている大会という感じで入られるので、もっと楽しめるかな、という気はしています」

――平昌五輪では銅メダルを獲得しましたが、勝ったのか負けたのかと言えば、鈴木選手ご自身ではどう解釈していますか。

「難しい質問ですね......。私にとっては"負けた大会"だったかな。現に予選では結構負けていますから(5勝4敗)。『勝った!』という記憶は、メダルゲーム(3位決定戦のイギリス戦)くらいですね」

――五輪での課題や収穫に関してはいかがですか。

「2月に開催されるオリンピックって、シーズンで言えば終盤なんですよね。単純に疲労が溜まってくる時期で、加えて、慣れない土地で、メディアも観客も多いので、いつもより疲れると思うんです。実際、選手村に入ってからも普通にトレーニングしていたんですけれど、今考えると、結構頭も身体も疲れていましたね。もっと調整メインで考えてもよかったかもしれません。

 あの時期に、あの舞台で高いパフォーマンスを維持するには、1年を通した過ごし方をもっと考えて挑まなければいけないな、と感じました。それも、トレーナーさんの意見に従うだけでなく、自分の身体をいちばん知っているのは自分なんだから、トレーナーさんと相談しながら、自分でしっかりと調整しないといけない。そのあたりが課題でしょうか」

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