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将来の横綱候補がズラリ。アマチュア横綱OB・御嶽海が見た全日本相撲選手権 (2ページ目)

  • 武田葉月●取材・文 text&photo by Takeda Hazuki

 その熾烈な戦いにおいて注目を集めていたのは、昨年のアマチュア横綱・花田秀虎(日体大2年)、一昨年の学生横綱・中村泰輝(日体大3年)、そして今年の高校横綱に輝いた落合哲也(鳥取城北高3年)といったところでしょうか。他、今年の学生横綱・川副圭太(日大4年)なども期待されていましたが、負傷欠場となって残念でした。

 まず、際立った奮闘を見せたのが、高校生ながら決勝トーナメントまで勝ち上がってきた落合。身長180cm、体重153kgと恵まれた体格の持ち主です。「超高校級」の評判どおり、そのパワーは相当なもの。右足を引く独特の仕切りで、ふてぶてしいほどの落ち着きを見せていました。

 ただ、個人的な見解を言わせてもらえば、彼からはフレッシュさを感じないんですよね。それと、決勝トーナメント1回戦の谷岡倖志郎(近大職員)戦、2回戦の中村戦と、いずれも立ち合いで先輩選手を相手に「待った」をしたり、合わせられなかったり......。

 自分の間合いで立ちたい気持ちはわかりますが、相撲は単に"勝てばいい"というものではないんです。まだ若いので仕方がないのかもしれませんが、その辺りはこれから学んでいってほしいですね。

 将来性がある分、あえて苦言を呈しましたが、高校生でベスト8という結果はお見事。本人は「すぐにでも大相撲に行きたい」と言っているようですが、それには僕も賛成です。即、大相撲界で鍛えれば、大物になる可能性は十分にあると思います。

 一方、残念な結果に終わったのは、花田です。予選では安定した相撲を見せて連覇が期待されましたが、決勝トーナメントの2回戦で準優勝の神崎大河(近大4年)に寄り倒しで敗れてしまいました。

 それでも、身長185cm、体重135kgと均整のとれた体型に、引き締まった顔立ち。将来、スター力士になる要素が存分に備わっています。

 取り口を見ると、攻めていく分にはいいのですが、相手に出てこられた時の残り腰があまりないように感じました。来年以降、そういった点が課題になっていくのはでないしょうか。

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