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「日本でダンスがここまで進化しているのか」Dリーグ初代最優秀ダンサーISSEIが開幕シーズンを回顧 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 ISSEIが率いたKOSÉ 8ROCKSはシーズン当初、優勝候補に挙げられ注目を集めていた。しかし、なかなか1位を獲ることができなかった。当然、ISSEIは悩んだ。本来であれば、高得点を取れるところで取れない。得点を上げるために、より派手な技、審査員にウケのいい技を選ぼうと考えることもあったが、ダンスの原点に立ち返った時に、それが本当に正しいのか――。ISSEIは、ブレイクダンスの魅力を伝えることと、高得点を出すことを両立させる難しさを痛感した。

「ファーストシーズンの後半戦は、『完成度が低いという評価があったので、そこを伸ばしていこう』とか話していたんですが、毎回ほぼ審査員の方が違っていて、そこに意識をフォーカスしてしまうと、僕ららしくないなと思ったんです。

 それに『あいつら勝ちに行っているな』と他のチームに思われるのは、やっているほうとしてはつらいです。いい順位が出ると思ったショーケースで、点数が低かったこともあるので、何が正解かわからなくなってしまった。そこを考え始めると、ダンス自体が良くなくなる。みんなが楽しいと思ってもらえるものを表現したいんです」

 順位が伸び悩み、チャンピオンシップ出場圏内である4位以内に入るために、KOSÉ 8ROCKSはルール上認められている、期間限定で特別に出演するダンサー「SPダンサー」を外部から招聘し、ラウンド10では初の1位を獲得。最終的に4位でチャンピオンシップに出場できたが、そこでは勝てずに4位でシーズンを終了した。優勝を目標にスタートしていたため、悔しい結果となってしまった。

 誰もが初めてだったDリーグのファーストシーズンを終え、ISSEIは多くの課題と成果を得た。それを踏まえてセカンドシーズンに向けて再び頂点を目指して動き出している。

「もっと挑戦してみたいですね。せっかく12回も、表現できるチャンスをもらっているので、僕らがやっているブレイキンの可能性をどんどん増やしていきたいと思っています。

 昨シーズンは、僕のことをフォーカスするメディアが多かったんですが、KOSÉ 8ROCKSはすごく素敵なメンバーがそろっているので、その人が持っているキャラクターやスキルをショーケースでもっと出してあげたいなと思っています。

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