「日本でダンスがここまで進化しているのか」Dリーグ初代最優秀ダンサーISSEIが開幕シーズンを回顧 (2ページ目)
ステージ上ではそれぞれのチームが、約2分間のダンスを披露することになっているが、その完成度は非常に高い。1チーム8人の一流ダンサーたちが曲に合わせて一糸乱れぬ動きで踊り、自らが設定したテーマを表現するそのステージは、圧巻の一言。この1つのショーケースを通常ではありえないほど短期間で作り上げてきたことについて、ISSEIはこう振り返る。
「最初はストックを用意して余裕を持ってショーケースをやっていこうと思っていたんですけど、それが全然できなかったですね。
(間が2週間ほどの場合は)ラウンドが終わった次の日か2日後に集合して、前のショーケースを振り返って方向性を決めます。それから次回の曲を聞くんです。そこで全体の構成をイメージして、『今のリズムなら、あの組み技が活きるよね』とか、『このリズムなら誰々のソロがはまりそうだよね』とか言って、リストを作ります。そこから、そのリストがはまるかどうかを3日間くらい試行錯誤します。それで大枠を作ったら細部を詰めて、さらに足し算引き算を何度も繰り返して、本番を迎える感じです。
ただやっぱり2週間では踊り込みの時間が足りない。練習の時間は短くて6時間、シーズンの後半は8時間はやっていました。それでも足りなかった。僕も含め、メンバーも大変だったかなと思います」
しかもDリーグのほとんどのチームがディレクターとダンサーを分けていたが、ISSEIはそれを兼務。プロスポーツで監督とプレーヤーを両立させた例がほとんどないことからも、その難しさは想像できる。
「すごく甘く見ていた部分がありました。ただコロナ禍でダンスが全然できないことがつらすぎたので、ディレクター兼ダンサーという立ち位置をもらってダンスをやることができて本当によかったし、タイトな日程でもつらいなという気持ちはなかったですね。
僕自身、ディレクターらしいことをしていたかと言ったら、そうではありません。方向性は僕がみんなと話して決めていましたが、ショーの内容はみんなで話し合いをしていたので、逆に僕がすごく支えられていました。だからその部分でもつらいなと思うことはなかったですし、ダンスができているので楽しいなと思っていましたね」
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