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欧州強豪国は五輪サッカーをどう報じたか。スペイン「失敗」、ドイツは希薄 (2ページ目)

  • photo by JMPA

 準決勝で開催国の日本を下しても、やはり話題の中心からは外れていた。『マルカ』は一面で「さよなら、我々のスーパーヒーロー」という見出し。英雄的なバスケットボール選手であるパウ・ガソルの代表引退を大々的に報じていた。

 大手スポーツ紙の比較でいえば、『アス』のほうが『マルカ』よりも五輪サッカーについて報じていた。

 それでも『アス』はテコンドー女子49キロ級でスペインのメダル第一号となったアドリアーナ・セレソイグレシアスの銀は大きく報道していた。「英雄的」と銘打つレースを見せ、マウンテンバイク男子クロスカントリーで銅メダルを獲ったダビド・バレロセラノも一面。体操男子ゆかでライデルレイ・サパタが銀、陸上女子三段跳びでアナ・ペレテイロが銅と、ダブルメダルを獲得した時は「スペインが跳ぶ!」という見出しで報じた。

 カタルーニャ州、バルセロナに本拠を置くスポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は偏りがあり、バルサの機関誌に近い。セーリング男子470級でジョルディ・ハマル、ニコラス・ロドリゲスガルシアパスのペアが銅メダルを勝ち取った翌日は、バルサがプレシーズンマッチでザルツブルグに1-2で敗れた試合が一番大きな扱い。雨の中で憔悴したメンフィス・デパイが座り込む姿が載っていた。

 一方、『エル・ムンド・デポルティーボ』の地方版は、徹底して「おらが町」の色合いを出す。たとえばバスク州のギプスコア県版は、一面が必ずレアル・ソシエダ関連となる。日本を下した翌日の一面は、レアル・ソシエダのミケル・オヤルサバルとマルティン・スビメンディの2人が抱き合う姿だった。

 ギプスコア県出身でバスク人カヌー選手のマイアレン・シュローがスラローム女子カヤックシングルで銀メダルを勝ち獲った翌日は、堂々の一面。ちなみにマイアレンはSportivaのサッカー記事でもおなじみの元バスク代表監督ミケル・エチャリのいとこの娘だそう。出身地であるラサルテはお祭り騒ぎだったという。

 結局、スペインは金メダル3個、銀メダル8個、銅メダル6個の合計17個を獲得。前回のリオ五輪から金メダルは減ったが、全体では同じメダル数を勝ち取っている。

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