葛西紀明、平昌は「レジェンド鳥人」とならず。4年後は何が起きるか... (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 代表発表直後のW杯で5位に入ったのは、葛西が得意なフライングヒルだったこともあるが、やっとプレッシャーから解放されたからこその成績だったとも言える。

 だが代表の5人に選ばれても試合の出場枠は4。確実に出場できるわけではない。

「出場メンバーを選考する練習の時は、試合と同じくらいにプレッシャーがかかりました」

 そんな緊張状態が続くなかでも、ノーマルヒルの予選後は意外にも表情が明るく、「緊張のあまり、ジャンプスーツのファスナーを閉め忘れていたんです。飛んで降りてきてから下にいた(小林)陵侑(りょうゆう/土屋ホーム)に教えられて『うそーッ』って......。焦りましたね。予選を通るかなとか、緊張感やプレッシャーの方が大きくて、五輪としての緊張感ではなかったですね」と笑っていた。

 すべて終わってみると、今回は結果を出せない五輪になってしまった。ノーマルヒルは21位、ラージヒルは02年ソルトレイクシティ五輪以来となる2本目に進めない33位という結果。最後のラージヒル団体戦でも3番手として出場したが、飛距離は2本ともにK点前後の124mと125mしか飛べず、大ジャンプを見せることはできなかった。

 また、チームとしても最年少21歳の小林陵侑こそノーマルヒルで7位入賞を果たすなど一気に成長したが、大黒柱の葛西がチームを引っ張れない。W杯序盤ではトップ10を維持してエース格まで上がってきた小林潤志郎(雪印メグミルク)も、ラージヒルは予選落ちで、団体戦では出場メンバーから外れるほど調子を落としてしまう。

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