渡部暁斗が今季初V。「ぬるい勝利よりバチバチ戦うレースがしたい」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

「僕が本当にいいレースだと思うのはこんな温(ぬる)いレースではなく、集団でバチバチ戦うレースなんです。最後のフィニッシュラインを切るまでハラハラするようなレースで競り勝てるよう、新しい渡部暁斗を見せたいなと思っています。今日のようなレースは僕を知っている人たちからすれば面白いだろうけど、そうじゃない人たちが僕を見ても面白いと思うようなレースをしたいですね。それがコンバインドという競技の醍醐味だろうし、誰が見ても面白いと思うレースが増えてエンターテインメント性があった方がスポーツとしても面白いし、もっと盛り上がるんじゃないかなと思います」

 ノルディック複合のW杯日本人最多勝利記録は、荻原健司が持つ19勝だ。荻原は渡部が所属する北野建設スキー部の部長でもある。

「荻原さんの勝利数を超えるにはあと10勝必要なので、やっと半分折り返したというところですね。荻原さんの頃は年間の試合数も少なかったというし、それだけに19勝は尊敬に値する数字だと思います。自分も同じコンバインド選手としてそういうところに追いつきたいし、超えていけるようになりたいです。理想はそこで満足するのではなく、30勝、40勝と勝ち続けること。一つひとつ階段を上るように勝ちを積み上げていくのが僕の楽しみでもあるので、そこを目指してがんばっていきたいと思います」

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る