豪栄道よ、屈辱の大失速を自身の糧に。元大関・霧島が叱咤激励エール (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 陥落後、霧島は再び大関に復帰することはなかった。「勝たなきゃいけない」という重圧に苦しんだ日々を経験した陸奥親方だからこそ、今場所の豪栄道の気持ちが「痛いほどわかった」と明かす。

「あれだけ連勝して優勝争いのトップに立った。そこで、この一番に勝たなきゃいけないという気持ちが出たんだろう。そう思いすぎているから、逆に体が安易な引きに頼ってしまった。つまり、心と体がバラバラになってしまった」

 そう指摘する12日目の松鳳山戦。それまで、ほとんど見せていなかった無駄な引き技を出して敗れ、続く13日目の貴景勝戦も同じ展開で崩れてしまった。

 陸奥親方は「勝たなきゃいけないと思った時こそ、自分の武器を相手にぶつけようと、それだけを思うことが大切だ」と語る。低く鋭い立ち合いで左まわしを引き、一気に押し出すことが、本来の豪栄道が持つ相撲。「それに徹することでしか、勝つことはできない」と強調し、次のようにエールを送る。

「相手にとって、それが一番の脅威だからね。私は重圧がかかった時に、それに徹することができなかったけど、豪栄道ならできると思う。あの立ち合いは、まだまだ力を持っている証拠ですよ」

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