男子と同じ練習の小平奈緒。
「女子を超えた究極のスケート」で五輪へ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 この夏、充実した練習を積んできたスピードスケート女子の小平奈緒(相澤病院)は、長野市エムウエーブで行なわれた公開練習で、男子選手と一緒に250m加速や全力での500mを披露した。

男子選手と同じペースで滑る練習を公開した小平奈緒男子選手と同じペースで滑る練習を公開した小平奈緒 非公開だった9月の帯広合宿のタイムトライアルでは、昨季までの日本記録を上回る37秒2台のタイムを出したという。小平は「その時期の帯広の氷は滑るという話も聞いているし、男子と同走で、その選手を追えたというのもよかった」と振り返りつつ、「滑りに関しては、このあとのタイムトライアルで見極めていきたい」と冷静に答えた。

 また結城匡啓(まさひろ)コーチも帯広で出した好タイムについて、「タイムトライアルの前にテスト的に400mや600m、100mのマックスも入れていたので、出てもおかしくない数字だった。小平自身は、動きは少し硬くなったと話していたけれど、もうちょっとよくなる雰囲気もある」と話す。

 今季も順調が続いている小平は、「今年は男子選手と一緒に練習をしているので、頭の中でのマインドセットが男子並みになっている」と言う。

「女子の中で戦うので、その中でどんな順位を取るかが大切かもしれないですが、今男子がやっている滑りが10年後の女子の滑りになるということを結城先生とはよく話しています。まだ女子では誰もやったことのない滑りをしたいなと。そう考えると、スケートというスポーツを高めたいというところにすごく意識が向いてきて、今はすごくそれが楽しいという感じです」

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