朝青龍と白鵬が乾杯。断髪式で改めて感じた旭天鵬の「偉大さ」 (5ページ目)
モンゴル出身の“両巨頭”――それぞれにプライドがある。だが、互いに認め合ってもいる。ふたりの間には、ともに遠慮があったのかもしれない。
宴もたけなわとなって夜がふけると、朝青龍と白鵬との距離は次第に縮まっていった。ふたりが笑顔で杯を重ねると、白鵬がつぶやいた。
「私も、いつかこんな日を迎えるのかなぁ……」
それに対して、朝青龍はただ微笑んでいた。まるで白鵬に無言のメッセージを送っているようだった。
(俺みたいに)いろいろなことに負けないでくれよ――。
そんなふたりの姿を、旭天鵬は頼もしそうに見つめていた。そして、最後にこう漏らした。
「いい後輩に恵まれて、僕は幸せな相撲人生を送れたと思うよ」
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