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【月刊・白鵬】横綱が「レジェンド」として敬愛するアスリート (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 さて、名古屋場所ですが、注目は何と言っても、新大関の照ノ富士です。身長191cm、体重178kgと、恵まれた体格の持ち主で、間垣部屋から現在の伊勢ヶ濱部屋に転籍してからは、横綱・日馬富士や安美錦関(前頭4枚目)らとともに猛稽古を繰り返してきました。その結果、大関昇進を果たしたわけですが、この照ノ富士は大関でとどまるような"器"ではありません。

 なにしろ、名古屋場所でも新大関のプレッシャーなど感じさせることなく、初日から6連勝。上々のスタートを切って、9日目には早くも勝ち越しを決めました。大関昇進後は、多忙な日々を過ごしていると伝え聞いていましたが、そんな疲れも一切見せることなく、土俵上で彼らしい相撲を取り続けています。末恐ろしい限りです。こうした、いい意味で図太い部分を備えているところも、その"上"を狙える要素なのだと思います。

 一方、ちょっと心配なのが、旭天鵬関です。かねてから「幕内から落ちたら、現役を引退する」と公言。名古屋場所では初日から4連敗を喫するなど、幕内残留を目指してのぎりぎりの戦いが続いているからです。聞くところによると、先場所から少し体調を崩しているというので、余計に心配が膨らみます。

 ただ、旭天鵬関は、そうした素振りを一切見せることはありません。名古屋入りしてからも、毎日必ず稽古場に出て、体を動かしているそうです。モンゴル人力士の第一期生として、また、40歳の現在まで相撲を取り続けてきた気持ちというのは、私などが思いも及ばないものがあると思います。必死な毎日だと察しますが、その姿勢には本当に頭が下がります。

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