ソチ・パラリンピック開幕! 活躍が期待される注目の選手たち (2ページ目)

  • 星野恭子●文text by Hoshino Kyoko
  • 越智貴雄●写真photo by Ochi Takao

 昨シーズンのW杯では総合優勝も果たし、4年間で大きな成長を見せたが、「一番の成長はメンタル面。これまでプレッシャーから力を発揮できないレースが多かったが、森井(大輝)先輩から『お前は速い。普通に滑るだけで表彰台争いに入れる』と励まされ、自分の滑りに自信を持てるようになり、成績も上がってきた。バンクーバーでの銅メダルは運がよかっただけ。ソチでは自分の実力で金メダルを獲りたい」と意気込む。

「打倒ロシア」が合言葉

 ノルディックスキーは、"雪上のマラソン"と呼ばれるクロスカントリースキーと、バイアスロン(クロスカントリースキーと射撃の複合競技)の2競技が行なわれる。両競技とも前回バンクーバー大会ではロシア選手団が圧倒的な強さを見せた。"地の利"を得ることになる今大会も強敵ではあるが、その牙城を崩すべく、日本チームは4年間、練習に励んできた。

 クロスカントリースキーでは1998年長野大会から5大会連続出場となる立位、新田佳浩(日立ソリューションズ)が前大会で金メダルを獲得したクラシカル・ロング(10キロ)で2連覇を目指す。「ベテランの選手が若手を引っ張り、次の18年平昌(ピョンチャン)につながる大会にしたい」と、ベテランならではの目標も掲げる。

 バイアスロンでは、2大会連続出場の座位、久保恒造(日立ソリューションズ)に注目だ。バンクーバーでロシア勢に苦杯をなめ6位に沈んだ悔しさをバネに、「ソチを目指して4年間、やるべきことはやってきた」と胸を張る。特に射撃の精度では群を抜き、先シーズンのW杯では日本選手初の総合優勝も果たした。走力に勝るロシア勢対策として、久保はこの4年間、特に上り斜面での滑りの技術を磨き、勝負できる走力も培った。9日に行なわれるクロスカントリー・ロング(15キロ)で弾みをつけ、11日のバイアスロン・ミドル(12.5キロ)で悲願の金メダルを目指す。

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