2014.02.17

【スキージャンプ】「次は金メダル」。
葛西紀明の快挙で団体戦へムードは最高

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Enomoto Asami/JMPA

 2月15日のジャンプラージヒル個人戦、試合後の記者会見では遅れて入ってきた葛西紀明に外国人記者からの質問が集中した。

「なぜ41歳という年齢まで競技を続けているのか」
「いつまで続けるつもりなのか」
「日本は98年の長野五輪のあと低迷していたが、なぜ再び勝てるようになったのか」
 等々......。

スキージャンプラージヒル個人で銀メダルを獲得した葛西紀明 この日、銀メダルを獲得した葛西は、その質問のひとつひとつに、丁寧に答えた。

「僕はスキージャンプを非常に愛しているし、自分の生活だと思っている。だから飛んでいることが楽しいし、勝つことに快感がある。負ける方が多いけど、勝つということを大事にしている」

「長野五輪以降日本は低迷し、自分も一時は『もう外国勢にはかなわないのではないか』とあきらめかけたこともある。僕のチームがフィンランドのコーチを雇ってくれて、技術をまた一から身につけてきた。勝ちたいという気持ちを持ち続けてやってきたことが、この結果につながったのだと思う。年齢が上になってもあきらめずにやっていれば結果を出せることを証明できた」

 さらに今後の競技生活についても、「たぶん、45歳と49歳になる次の五輪とその次の五輪の時、自分の体力や技術はもっと向上していると思う。ここまできたら、行けるところまで行きたいと思っている」と言い切った。

 過去に16歳の五輪優勝者もいたスキージャンプという競技で、41歳の葛西の2位表彰台獲得は、まさに驚異的。しかも「あと半歩で金メダル」という惜しい展開だった。
 
 試合は極めて難しい条件下で行なわれた。風は追い風0・67mから向かい風1・01mまで目まぐるしく変わったが、葛西はあくまで冷静だった。

「ノーマルヒルの時の1本目は僅差の8位でメダルも狙える位置だったから2本目に力んでしまった。だから今日は、1本目でトップ3につけようと考えて集中していました。W杯でも表彰台に上がる時はそういうパターンが多かったので」

 実際、葛西は1本目、秒速0・16mの向かい風をもらって139mを飛んだ。次のペテル・プレヴィツ(スロベニア)が弱い追い風になって135mに止まったが、ノーマルヒル優勝のカミル・ストッフ(ポーランド)は139m。飛距離はストッフと同じだった葛西だが、飛型点とウインドファクターで後れをとり、1本目は2位につけた。