2014.02.24

【スピードスケート】小平奈緒「スケート靴と親友になれなくて……」

  • 取材・文●折山淑美 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLOSPORT

小平奈緒は500mで5位、1000mで13位と思うような結果が残せなかった新しいスケート靴を求めてアメリカへ

 1月18日から長野市のエムウエーブで行なわれた世界スプリントで小平奈緒は、総合5位だった。トップ選手が少ない中での不本意な結果に表情を曇らせたが、ソチ入り後、2月5日の記録会を終えると表情を明るくした。

 レースで37秒93を出したのだ。指導する結城匡啓コーチによれば、標高0mのソチの記録は標高300m強の長野と比較すると約プラス0秒20。その計算なら37秒73で、彼女が昨年10月にエムウエーブで出した37秒87の国内最高記録を大きく上回ることになる。

 小平は世界スプリントの時、「エムウエーブの硬い氷には今使っている硬めのブレード(スケートの刃)は向かないと思うけど、ソチのリンクは結構氷の食いつきがいいので。体力を生かして力を氷にうまく伝えれば、そのまま返ってくるイメージがしています」と話していた。そんな予想がほぼ正解だったことを、その記録で確認できたのだ。

 2010年のバンクーバー五輪後、世界と戦うためにはもう少し筋力が欲しいと思っていた結城コーチの思惑を先取りするかのように、小平は自ら男子並みのトレーニングをしたいと申し出た。そして、11年春から始めた取り組みが、12年1月にソルトレークシティで出した37秒42の日本記録につながったのだ。

 その時履いていたスケート靴は新調したばかりで、土踏まずのアーチが高過ぎて小平に合っていなかったという。それでも日本記録を出せたのはパワーがついていたからだと結城コーチは語る。その上で次は、靴について新たな試みをした。

「その2年ほど前から小平は靴職人の三村仁司さんにトレーニングシューズを作ってもらっていたんですが、足の測定に行って『この部分が弱いからこう鍛えろ』と指摘されるところが僕の感じていた部分と同じだったんです。それで次の測定の時にスケート靴についても相談し、少し余裕のある物を作ろうと決断しました」