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ソチ五輪で初のメダル獲得なるか。ショートトラック女子が秘める可能性 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 本番のソチ五輪では、この4人にリザーブの菊池萌水を加えた3000mリレーが、メダルの可能性を持つ種目。全員が「メダル獲得が目標」と口にしているが、今季のW杯では全員の調子が上がっていなかったこともあり、4大会ともA決勝に進めずにいる。元々強い韓国と中国以外にも、カナダとイタリアが力をつけてきたのだ。

 伊藤は「今年は他の国の力の入れ方や気持ちの入り方も違うと思います。強かった選手はさらに強くなり、遅かった選手が急に強くなってきていますから」と話す。また酒井も、「イタリアも長い距離が持たなかった選手が、最後までスピードを持続できるようになっているのはわかっている」と話す。

 ソチに向けて選手たち全員が口にする共通の課題は、スピードアップだ。表彰台へ上がっていた時は4人全員が1周8秒台のラップタイムでつなげられていたが、今年は9秒台に落ちてしまうことも多いという。

「トップスピードの足りなさだけでなく、今シーズンのW杯ではタッチのミスも目立っていたからその精度を上げなければいけない。でも日本の強みは全員の力がそろっていて穴がないことです。他の国は強い選手と弱い選手の差があり、1、2走はすごく速くても、3、4走は劣るというのがあるから。バランスの良さを生かしつつ、全員のスピードを上げていくのが課題です」と伊藤は語る。

 リレーの場合は流れも大切だ。遅い選手からタッチを受けると、次の選手はそこから加速していかなければいけないので力を使ってしまう。

「スピードの上げ下げがあると、いくら強い選手でもバテてしまうんです。でも日本の場合はスピードが一定だからきれいに流れを作れる。全員が自分のことだけではなく、次の走者やアンカーのことをすごく意識してやっているチームだから、その良さを生かして勝負したいですね」(伊藤)

 代表も決まり、これからはソチのことだけを考えて練習ができる状況になった。ショートトラック女子のメダル獲得への挑戦は、これから本番を迎える。

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