2013.12.17

ソチ五輪で初のメダル獲得なるか。ショートトラック女子が秘める可能性

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

圧倒的な強さを見せて代表入りを果たした酒井裕唯 12月13日からショートトラックスピードスケートのソチ五輪代表選手選考会が行なわれた。リレーでメダルを狙う女子チームの中でも、3日間の6レースで圧倒的な力を発揮したのは、酒井裕唯(日本再生推進機構)だった。

 9月には今大会と同様に、ソチ五輪選考の対象で選考方法も同じ全日本距離別選手権に出場。酒井は距離別でも500m2勝、1000mは1位と4位、1500mは1位と2位で総合トップに立っていた。(選考方法は500mと1000m、1500mを2回ずつ滑り、それぞれの結果をポイント化。2大会の種目別得点と総合得点で代表を決める)

この2大会の総合ポイントに加え、種目別の得点も考慮して、ソチ五輪代表選手が決まった。  そして今大会、他の選手に先手を取られても、「後半はペースが上がってくるので前の選手を抜くデッドラインがある。そこで動かなければ逃げられてしまう」と冷静に展開を読み、絶対的なスピードで外側から前に出て圧勝するというパターンをこれでもかとばかりに見せつけ、6レースすべてで優勝したのだ。

 その圧勝には伏線があった。9月末から始まったW杯では、11月の第3戦と第4戦に五輪の日本出場枠獲得がかかっていた。11月7日からのW杯第3戦トリノ大会では、最も貢献しなければいけない立場でありながら1500mと1000mではインコースを突いた行為を反則に取られて失格してしまった。

「もう日本に帰れないと思いましたね。すごく落ち込んでしまって、トリノの街をさまよい歩いていました」

 結果的に日本はリレーでも出場枠を取り、個人種目もすべて3枠を獲得したが、酒井がその戦いで感じたのは世界の高速化だった。これまでは距離が長くなる外側からでも簡単に前の選手を抜いていた強い選手でさえ、外側からはそれほど簡単には抜ききれないような状況だったのだ。