【インタビュー】美しきヒロインの素顔~猪俣紗奈子(アルティメット) (4ページ目)
脊山 ご自身としても、まだまだ続けていきたいですか?
猪俣 はい。今は気持ちが続く限りやりたいな、と思っています。
猪俣紗奈子(いのまた・さなこ)1985年5月6日生まれ。神奈川県出身。所属チーム:HUCK。大学入学と同時にアルティメットを始める。大学4年生のときに日本代表となり、2008年の世界大会に出場。銀メダルを獲得した。大学卒業後は保険会社に就職。社会人アスリートとして奮闘している。アルティメット日本代表。脊山 とはいえ、今や会社の仕事も求められることが多くなって、アルティメットと両立するのは大変なのではないですか?
猪俣 土日は練習をしていますから、やっぱり休みがないのは体力的にはきついですね。金曜日の夜にパーッと遊びに出かけていく同僚を見ていると、ちょっと羨ましいですから(笑)。それでも新入社員の頃に比べれば、仕事は仕事、アルティメットはアルティメットと、気持ちの切り替えができるようになったので、今はそれほど苦労していません。それに最近は、アルティメットをやっていることが仕事にも役立っているんです。初めてお会いする取引先の方などに「アルティメットをやっています! 日本代表でがんばっています!」という話をすると関心を抱いてくれて、商談がスムーズに運んだりするんです。
脊山 最後に、猪俣選手にとってアルティメットとはどんな存在なのか教えてください。
猪俣 どんな存在だろう......。自分という存在を保たせてくれるモノ、ですかね。私、自分には甘いんですよ。4年前の世界大会のあと、一度、アルティメットから離れたことがあるのですが、「このままでは、私はダメな人間になってしまう」と思うほど、怠惰な生活を送ってしまったんです。そのとき、「私にはアルティメットがなきゃダメなんだ」ということを改めて気づかされました。実際、アルティメットをやっていれば常に高い意識を保っていられるので、日々の生活が多少きつくても、アルティメットをやっていることで、自分が成長できるような気がします。
協力:日本フライングディスク協会
『WFDF2012 世界アルティメット&ガッツ選手権大会』開催!
一般的にはフリスビーの名称で知られる、フライングディスク競技の2大メジャー種目「アルティメット」と「ガッツ」の世界一を決する大会が、7月7日(土)から14日(土)まで、大阪府堺市のJ-GREEN堺で開催される。同選手権は4年に一度開催されるフライングディスク界の最高峰の国別対抗戦。13回目を数える今大会は、25カ国から約1500名のトッププレイヤーが集結する。猪俣選手が出場する「アルティメット」のウィメン(女子のみ)部門は、2008年にバンクーバー(カナダ)で開催された前回大会で銀メダルを獲得。地元開催の今回は、優勝が期待されている。大会特設サイトはこちら>
◆アルティメット
タテ100m(両端のエンドゾーン18m×2を含む)、ヨコ37mのピッチで行なわれる、7人制のチーム競技。アメリカンフットボールやバスケットボールに似たスポーツで、フライングディスクを落とさず味方につなぎ、コート両端のエンドゾーンでキャッチすれば得点となる。
◆ガッツ
サッカーのPKに似た、1チーム5人で行なうチーム競技。14mの平行線上に向かい合い、相手チームから投げられたディスクを片手のみでキャッチする。投げられたディスクを落としたり、体の2箇所以上にディスクが触れたりすると、相手チームの得点となる。
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