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【月刊・白鵬】モンゴル力士のパイオニア、旭天鵬との『絆』

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

旭天鵬(右)の優勝パレードで旗手を務めた白鵬(左)。旭天鵬(右)の優勝パレードで旗手を務めた白鵬(左)。第15回:旭天鵬

史上初の6大関で迎えた5月場所は、
稀に見る激戦で思わぬ展開となった。
最後は平幕同士の優勝決定戦となり、
前頭七枚目の旭天鵬が初優勝。
日頃から「アニキ」と慕う
旭天鵬の栄冠に、横綱も涙した――。

 モンゴルの大先輩である旭天鵬関の、史上最年長(37歳8カ月)優勝で幕を閉じた大相撲夏場所(5月場所)は、私にとって忘れられない場所となりました。

 鶴竜の大関昇進により、6大関が勢ぞろいしたこの場所初日、大関陣はそれぞれが自分らしい相撲を取って、白星スタート。

「これは負けられないぞ!」
 結びの一番、私はいつも以上に気合いが入っていました。

 相手は相撲巧者の安美錦。安美錦にバランスを崩された私は、足がついていけずに、敗戦。初日早々黒星というのは、このところなかったことなので、正直ショックでした。でも、この敗戦で目が覚めました。「自分の相撲を取っていこう!」そう言い聞かせて、2日目からはなんとか平常心を取り戻したのですが......。7日目豊響、8日目豪栄道、そして9日目豊ノ島に3連敗。体と心が一致しないというか、気持ちだけが先走って、相撲の流れが作れなかったのです。

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