宇野昌磨がミラノ五輪を見てあらためて思ったこと スポーツとしてのフィギュアスケートの魅力とは
4月4日、東京は一面、曇り空だった。時折、耐えきれなくなったように、黒い雲が地面に雨粒を落としていた。外に広がっていた風景は、昼間なのに光を遮られて暗かった。
しかし、劇場版『Ice Brave 新横浜 Special Edition』応援上映の舞台挨拶に立った宇野昌磨は、とても晴れやかな顔を見せ、いつもと変わらずマイペースだった。
挑戦し続けるというモットーを胸に、さらなる高みへ挑む、宇野昌磨 photo by Sunao Noto(a presto)この記事に関連する写真を見る
「伸び伸びとやれていますし、見ての通り伸び伸びとできています」
宇野が飄々として言うと、会場は温かい拍手に包まれた。観客は、いろんな色のペンライトを振って、必死に彼へ向かってかざす。同時に眩しいライトも当たって、壇上の主役はたくさんの光を集めていた。
「Ice Braveも第3弾になるんですが......自分は"挑戦し続ける"っていうのをモットーでやってきました。それは現役時代からですが、ショーでは"皆さんが想像する以上の挑戦を"と楽しんでいただけるように工夫をしてきました。その点は、『Ice Brave -A TURNING SEASON-』も大本は変わりません。皆さんに楽しんでもらうために、僕は挑戦し続けるし、僕以外のメンバーにも挑戦してもらうことになると思います」
宇野は言ったが、現役時代から不屈の姿勢を見せてきた。逆境を越えた先で、何かをつかみ取るようだった。本来は歩くのもつらい状況でリンクに立って、全日本選手権で優勝を勝ち取ったこともあったほどだ。
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著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

