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【フィギュアスケート】王者マリニンに対抗する術は? 鍵山優真の高い芸術性にヒントがある (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【会心の演技でも差は歴然......】

 11月7日、大阪。GPシリーズ・NHK杯のSPでは世界各国のスケーターが熱戦を演じている。

 一気に熱気を高めたのは、韓国のチャ・ジュンファンだろう。91.60点と、シーズンベストのスコアを叩き出した。リンクにはたくさんの花が投げ入れられ、3位に食い込んでいる。

 SP2位に入った佐藤駿も、会心に近い出来だった。フィニッシュポーズで右腕を突き上げると、大歓声を浴び、数多くピンクのバナーが振られていた。96.67点はシーズン自己最高だ。

「今日は6分間練習から、足が動いていたんじゃないかなって思います」

 佐藤はそう言って、演技前から感触がよかったようで、ベストに近い演技だったはずだ。

 しかし、このふたりがこれだけレベルの高いスケーティングを見せても、"マリニン包囲網"にはならない。得点はSPでも歴然の差。フリーではさらに広がるだろう。

 マリニンはSPでは2023年以降、100点以上を出し続けている。2024年のGPシリーズ・スケートアメリカでは唯一100点を切った。それでも、99・69点だ。

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