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フィギュア女子「ポスト坂本花織」は? 五輪代表3枠は引退表明のベテランと若手の争い (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / Dream on Ice 2025

【ポスト坂本時代を切り拓く次世代】

 一方、世界選手権3位と進境著しい"若手"の千葉も負けていない。

 この日、『ドリーム・オン・アイス』でも千葉はショートプログラム(SP)『さくらさくら』を披露し、和魂で異彩を放っていた。ミラノ五輪を強く意識したジャパネスクなプログラムだった。ピンクと紺が混ざり合った衣装で、スケーティングは神々しいほど整然としていたし、独特の跳ね上がるようなルッツを成功させていた。

"ポスト坂本"時代を千葉は、島田麻央(ミラノ五輪には年齢制限で出場できない)とともに背負っていくと目される。ミラノは新時代を切り拓く格好の舞台だ。

 松生理乃は紆余曲折の天才と言える。もともとスケーティング力の高さは評価されていたが、ケガや体調不良を経て復活を遂げた今は芯の強さを感じさせる。昨季はGPファイナルに出場し、全日本でも5位と躍進した。

『ドリーム・オン・アイス』で観客を魅了した松生理乃。新シーズンの活躍が期待される『ドリーム・オン・アイス』で観客を魅了した松生理乃。新シーズンの活躍が期待される

 この日の『ドリーム・オン・アイス』でも、松生はSP『Lux Aeterna』を滑り、しっとりとした楽曲を品よく表現していた。スローな動きこそ難しいが、ためをつくれることで観客を引きつける力があった。スパイラルやビールマンスピンなど、一つひとつが美しいのだ。

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