【世界フィギュア女子】坂本花織「うれしくて泣いて、悔しくて泣いて」 4連覇逃すも五輪へ「身が軽くなった」 (3ページ目)
【アリサ・リュウがノリノリの演技で優勝】
2日後のフリー。キムは後半にミスを重ねて浮上できずに合計194.16点、グレンも最初のトリプルアクセルは着氷したがジャンプのミスが複数出て合計を205.65点。そんななか、坂本は勢いのある滑りを見せた。
今季から入れている前半の3連続ジャンプは、最後の3回転サルコウは回転不足で、後半の3回転フリップからの連続ジャンプはセカンドの3回転トーループが4分の1回転不足の「q」判定だったが、スピンとステップはすべてレベル4で流れのある大きな滑りだった。
フリーの得点は146.95点で合計は217.98点。そのあとの選手たちのシーズンベストを考えれば、なんとか逃げきれそうな得点だった。
だが、それを阻んだのは千葉が合計を215.24点にして表彰台を確定したあとに登場した最終滑走のリュウだった。
トリプルアクセルを武器にしていたシニア移行の2022年北京五輪シーズンは219.24点の自己ベストを出し、北京五輪は6位で世界選手権は3位。そのあと一度引退したが、今季になって復帰。大技のない構成でも今年1月の全米選手権は215.33点を出していたが、2月の四大陸選手権は198.55点で、その得点がISU(国際スケート連盟)公認のシーズンベストだった。
今回は、地元アメリカの大声援に背中を押された。フリーは復帰シーズン最大の舞台を楽しもうするようなはつらつとした滑りで、回転不足もないノーミスの演技。とくに観客のボルテージが上がった終盤のステップシークエンスは、ノリノリで踊るような滑り。自己最高の148.39点を出し、合計を222.97点にしての初優勝を決めた。
リュウの勝利を坂本は、「以前から変わらない彼女の明るさと元気さが、世界チャンピオンという結果に導いたのだと思います。明るさと元気さ、優しさと人のよさがパワーアップしたというのをすごく感じました」と、祝福した。
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